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2023.01.26 HEALTH

レム睡眠って何?ノンレム睡眠との違いや眠りを深さを上げる方法について

レム睡眠やノンレム睡眠がもつ役割や、眠りの質との関係をご存知ですか?両方の役割や関係をおさえておくことは、眠りの深さを上げる助けになりますよ。眠りについての悩みがある方は、ぜひ目を通して、改善方法を実践してみてください。

監修者
ひろの さおり
管理栄養士・料理家 株式会社セイボリー代表取締役
ひろの さおり

1993年生まれ 東京都在住 1児の母
お茶の水女子大学大学院 食品栄養科学 修士
中級食品表示診断士
著書「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)
日経xwoman プロジェクトアンバサダー

レム睡眠・ノンレム睡眠とは?

睡眠の種類を表す

レム睡眠とノンレム睡眠とは、眠りの種類を表すものになります。人の眠りは、レムとノンレムの2つのパターンから成り立っているのです。

レム睡眠とは、脳が起きていて、身体は休んでいる状態のことをいいます。脳の働きがからだに向かなくて良いぶん、「記憶や感情の整理」ができるようになるのが特徴です。日中に得た体験や抱いた感情をふるいにかけて、スッキリ整理するのがレム睡眠の役割です。

ノンレム睡眠は、脳も身体も休んでいる状態のことになります。脳に休息を与える役割をもつため、ノンレム睡眠がしっかりとれているほど、眠りの満足感は大きくなるといわれています。きちんと休んで、脳と身体の元気を取り戻すのに必要な眠りなのです。

眠りの深さで分けられる

レム睡眠とノンレム睡眠は、眠りの深さで分けられます。レム睡眠は、眠りが浅く目が覚めやすい段階です。脳は活動しているため、レム睡眠の段階で目が覚めれば、スッキリ起きられますよ。夢を見ることが多いのも、このタイミングだといわれています。

逆に、眠りが深いのがノンレム睡眠です。多少のことでは起きない状態ですね。ノンレムは、眠りの深さによって、さらに4つのステージに分けられます。ステージ1は浅く、4が最も深くなります。ノンレム睡眠が妨げられると、眠りの質も下がるので注意しましょう。

睡眠が浅いと感じている方は、以下の記事を参考に睡眠の質を上げてみてください!

一定の周期で繰り返される

レム睡眠とノンレム睡眠は、夜から朝までにかけて、一定の周期で繰り返されます。眠りの周期は、一気にノンレム睡眠に入るところから始まり、少しずつ浅いものに移っていきます。その後、レム睡眠に変わり、また深い眠りのノンレムに入るのです。

ノンレムとレムの周期は、1回あたり90分ほどかかります。一晩のうちに、「深い~浅い」眠りを、3~5回ほど繰り返して朝を迎えるのですね。

ちなみに、眠りの前半の3時間は、ステージ3・4のノンレムに入る時間が長くなります。後半になると、ステージが浅くなり、レムに入る時間も増えるのが自然です。何らかの理由で、前半3時間にステージ3・4に入れなくなると、眠りの質は悪くなるといわれています。

レム睡眠とノンレム睡眠の見分け方

眼球の動き

レム睡眠とノンレム睡眠の見分け方は、眼球の動きによるものが大きいとされています。「レム(rem)」の語源が、急速眼球運動を意味する、「Rapid eye movement」から来ているように、レム睡眠では眼球がキョロキョロする動きが見られますよ。

「ノンレム(non-rem)」の場合は、名前のとおり、眼球運動がない状態になります。眼球がキョロキョロしないので、はたから見ても分かりやすい見分け方です。

筋活動の低下

レム睡眠とノンレム睡眠の見分け方には、筋活動の低下というものもあります。レムは、脳が起きていて、身体が休んでいる状態なので、筋活動があまりありません。

対してノンレムは、眠りは深いですが、筋活動はそれなりに行われています。意外なことに、寝返りうつのは、レムではなくノンレムに入っているときなのです。寝返りの有無が、見分け方のポイントになりますよ。

呼吸の深さ

呼吸の深さも、レム睡眠とノンレム睡眠の見分け方の一つになります。レムだと呼吸は浅いものになり、ノンレムだと深く安定しています。眠りの深さに比例して、呼吸も深くなるという点を押さえておけば、見分け方も簡単です。

見分け方のポイント
ポイント レム睡眠 ノンレム睡眠
眼球の動き ある ない
筋活動 ない それなりにある
呼吸 浅い 深い

レム睡眠とノンレム睡眠の乱れが招くこと

心とからだの健康に影響する

レム睡眠とノンレム睡眠の乱れは、心とからだの健康に影響します(*1)。レムとノンレムの周期が乱れてしまうと、睡眠の質が下がるためです。睡眠の質の低下は、心の不調とからだの不調を招くきっかけになります。

心とからだの健康を意識しているのであれば、レム睡眠が長くなったり、ノンレム睡眠が短くなったりするのを避けるようにしましょう。

また、心の健康は食べ物で改善できる場合があります。以下の記事を参考に、ストレスを回復させる食事を取りましょう!

美容のコンディションが下がる

レムとノンレムの周期の乱れからくる、睡眠の質の低下は、美容コンディションにも影響します。表情の明るさや、見た目の若々しさなのは、睡眠の質に左右されることが多いためです。

美容コンディションをサポートするには、ノンレム睡眠での眠りの深さをキープすることが大切です。ステージ3・4の深い眠りがしっかりとれれば、美容コンディションに良い影響をあたえます。

生活の質の低下にもつながる

レム睡眠とノンレム睡眠が乱れることは、生活の質の低下にも繋がります(*2)。きちんとした周期で、しっかりと眠れていなければ、日中のパフォーマンスが下がってしまうためです。

仕事でうっかりミスを連発したり、注意力が散漫になってしまったりするおそれがあるので、睡眠の質を下げないように心がけましょう。

(*1)(*2)は、厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」より参照しました。

レム睡眠とノンレム睡眠の周期が乱れる原因

生活リズムが崩れている

生活リズムの崩れは、レムとノンレムの周期が乱れる原因になります。生活リズムは、体内時計に関係します。体内時計とは、からだのさまざまな生体リズムをコントロールするものです。レムとノンレムの周期も、体内時計によって調節されています。

生活リズムを崩すことは、体内時計を狂わせ、眠りの周期まで乱すことになるのです。レムとノンレムが乱れる、最もポピュラーな原因だと言われています。就寝・起床時間、食事の時間などの生活リズムが乱れていないか、自分の生活を振り返ってみましょう。

寝室環境がよくない

寝室環境がよくないと、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなりがちです。入眠してすぐの、ノンレム睡眠に入りにくくなる原因になりやすいため、寝室環境はできるだけ整えるようにしましょう。

とくに、寝室の明かりや温度、寝具などが大きく影響しますよ。上手に取り入れられれば眠りの質が上げられるので、睡眠に適したものを選んでいってください。

悩みや心配事が影響している

悩みや心配事も、レムとノンレムの周期を乱す原因になります。いろいろと考えてしまうため、ノンレムに入りにくくなったり、レムの時間が長くなったりする可能性が高まります。

悩みや心配事があるときは、心とからだを落ち着けて、眠りの深さを上げる工夫をしましょう。ゆったりとリラックスできれば、周期の乱れもおさえられます。

寝る前の習慣にも注意

寝る前の何気ない習慣が原因で、レムとノンレムの周期が乱れることもあります。最も大きな原因になりやすいのが、スマホ・パソコンでの作業、アルコール・コーヒーの摂取、喫煙といった習慣です。

スマホ・パソコンのディスプレイからは、ブルーライトという覚醒をもたらす光が発せられます。寝る前に画面を見てしまうと、なかなかノンレムに入れなくなるおそれがあります。また、コーヒーとタバコにも、覚醒をもたらす成分が含まれています。

また、アルコールの摂取は、レム睡眠の時間を増やします。寝つきは良くしてくれるのですが、全体的な質は下がるので、アルコールの摂取はおすすめできません。

不調が関係する場合もある

睡眠の周期の乱れには、からだの不調が原因になっている場合もあります。不調に心当たりがある場合は、医師に相談して対処するようにしましょう。周期の乱れに関係する不調はさまざまなので、自己判断することは避けて、専門家にの意見を聞きましょう。

生活リズムを整えて眠りの深さや質を上げる方法

決まった時間に就寝・起床

生活リズムを整えるには、決まった時間に就寝・起床する習慣を身につけるのがいちばんですよ。体内時計のリズムは、規則正しい生活をおくることでリセットされ、整えられるためです。レムとノンレムの周期も整いやすくなり、眠りの深さと質が上がります。

生活リズムを整えるには、とくに起床の時間を意識しましょう。夜ふかしの翌日や、休日の朝でも、起床の時間は大きくズラさないようにしてください。眠りの周期への影響を小さくするために大切なことです。

また、決まった時間に起床したあとは、朝の光をあびるようにしてくださいね。朝の光をあびることは、体内時計をリセットするスイッチになります。

軽く運動する習慣を

軽く運動する習慣は、生活リズムを整えて眠りの深さや質を上げるのに、とても役に立ちます。あまりからだを動かさない人よりも、適度に運動する習慣がある人のほうが、眠りの質はよいといわれています。入眠もノンレムへの移行も、スムーズになりますよ。

可能であれば毎日、難しいようであれば週に2~3日、運動するようにしてくださいね。おすすめの運動方法は、ウォーキング・ジョギング・水泳・ストレッチなどです。1回30分を目安にして、眠りの深さや質を上げるようにしましょう。

しっかりとした食事習慣も大切

生活リズムのなかで、しっかりとした食事習慣をキープすることも、眠りの深さや質に関係します。朝ごはんを含めて、3食しっかりとることは、体内時計のリズムを整えます。

また、夜ごはんは早めにすませましょう。夜ごはんが遅いと、寝るまでに消化活動が落ち着かず、入眠やノンレムへの移行がスムーズにいきにくくなります。できれば、2~3時間は間隔を空けたいところです。食事習慣を整える方法で、眠りの質を上げるようにしましょう。

バランスの良い献立を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね!

寝室環境を整えて眠りの深さや質を上げる方法

眠りに適した室温・湿度で

寝室環境を整える方法では、眠りに適した室温や湿度を意識してみましょう。理想の室温は、16~26℃といわれています。冬は16℃、夏は26℃と、季節によって切り替えてください。

また、湿度に関しては、1年を通して40~60%がベストです。冬は加湿器、夏はエアコンの除湿を上手に使って、湿度を調整すると良いですよ。

ほどよい明かりで眠りをさそう

寝室の明かりを活用する方法で、眠りをさそうのもおすすめです。明るい蛍光灯は、目がさえてしまうので、寝る前は明かりを切り替えてみてください。

寝る1時間ほど前から、暖かいオレンジの明かりの下ですごせば、入眠もスムーズになりますよ。スタンドランプや常夜灯を活用して、寝室環境を整えればOKです。

ゆったりできる寝具を使う

寝室環境は、寝具によっても変わってきます。たとえば、シーツや枕カバーを、肌触りの良いものにするだけでも、眠りの深さや質を上げられますよ。人気の素材は、さらさらのコットンや、なめらかなシルクです。

また、枕の高さや、ベッドの硬さにこだわるのもおすすめです。自分のからだにフィットした高さの枕を見つけたり、寝やすいと感じた硬さのベッドを選んだりしてみましょう。

心とからだを落ち着けて眠りの深さや質を上げる方法

お風呂に入って落ち着ける

眠りの深さや質を上げるのに、心とからだを落ち着けたいのであれば、ゆっくりお風呂に入ってみてください。ポイントは、40℃程度のぬるめのお風呂に入ることです。ぬるめのお湯でじんわりすることで、全身がリラックスします。

また、寝る2時間前に入るようにするのも一つの手です。人のからだは、体温が下がると眠りやすくなります。間隔を空けることで、お風呂で一時的に上がった体温を下げ、ベッドに入るころ眠りがやってくるようにしましょう。

アロマの香りで落ち着ける

アロマの香りで、心とからだを落ち着ける方法も人気です。アロマのなかには、リラックスを促し、睡眠の質を上げるタイプのものがあります。ラベンダー・ベルガモット・カモミール・サンダルウッドなどが有名ですが、他にもたくさん見つかりますよ。

本格的に香りを楽しみながら寝たいのであれば、アロマディフューザーを使いましょう。簡単にすませたいのであれば、アロマスプレーを寝室に一吹きする方法がおすすめです。

音楽を聞いて落ち着ける

音楽を聞いて落ち着くことも、睡眠の質を上げてくれます。ただし、どんな音楽でもいいわけではありません。たとえ好きな音楽でも、歌声が入っているものや激しいメロディのものは避けましょう。

入眠を促して、眠りを深くするといわれているのは、自然の音を収録したヒーリング音楽です。また、ゆったりとしたクラシック音楽も人気ですよ。好みのものを選んで、活用してください。

レムとノンレムを意識して質の高い睡眠を

レムとノンレムを意識すれば、質の高い睡眠がとりやすくなります。レムの時間を長くする習慣や環境はなるべく避けて、ノンレムの時間を増やすようにすることがポイントです。

また、眠りはじめに、ステージ3・4の深い睡眠に入りやすくすること大切ですね。睡眠の質を上げる方法はいろいろなので、できることから始めてみましょう。