2023.01.25 RECIPE

ビタミンB群を多く含む食べ物とは?働きや栄養素について詳しくご紹介。

ビタミンB群は身体に必要な栄養素ですが、どんな食べ物に多く含まれているのでしょう。今回は、ビタミンB群の働きや効果、ビタミンB群を多く含むおすすめの食べ物についてご紹介します。また、ビタミンB群が不足してしまう原因についても解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

監修者
ひろの さおり
管理栄養士・料理家 株式会社セイボリー代表取締役
ひろの さおり

1993年生まれ 東京都在住 1児の母
お茶の水女子大学大学院 食品栄養科学 修士
中級食品表示診断士
著書「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)
日経xwoman プロジェクトアンバサダー

ビタミンB群の働きとは?

①エネルギーの代謝を助ける

ドリンクを飲む女性

一般的にビタミンB群は、エネルギーの代謝を助ける働きがあると言われています。たんぱく質や糖質、脂質といった栄養素は、摂取してもそれだけではエネルギーにはなりません。ビタミンB群が働きかけることで、エネルギーが生み出されるのです。

②疲労回復

サラダを食べる女性

ビタミンB群をしっかり摂取することは、疲労回復にも効果的です。逆にビタミンB群が不足すると、エネルギーを作り出せず、疲れやすくなります。日ごろの疲れの原因はビタミンB群不足の可能性があるため、疲労が気になるときは補充してあげると良いでしょう。

③心労・心痛の軽減

疲れている女性

ビタミンB群には、心労や心痛を和らげる働きもあります。不安や億劫な気持ちは、分泌されるホルモンの合成が上手くいかない時に起こりやすくなります。ビタミンB群はホルモンの合成に必要な栄養素なので、不足すると気持ちが不安定になりやすくなります。

【ビタミンB2】ビタミンB群の効果&食べ物

効果:脂質の代謝に関わる・皮膚や髪の毛などを作る

肌のきれいな女性

ビタミンB群の一種であるビタミンB2の主な働きは、エネルギーの元である脂質の代謝に関わり、エネルギーとして変換させることです。また、ビタミンB2は皮膚や粘膜の新陳代謝にも関わるため、健康的な髪の毛や皮膚を作るためにも必要です。一方、ビタミンB2の摂取量が少ないと、口内炎や目の充血など粘膜に異常をきたすことがあります。

食べ物①レバー

生のレバー

鶏や豚、牛のレバーには豊富なビタミンB2が含まれています。ビタミンBは脂質をエネルギーに変える役目を果たすため、脂っこいものが好きな方は、レバー類を意識して取り入れられると良いでしょう。

食べ物②納豆

納豆ご飯

納豆はビタミンB2が豊富なだけでなく、身体に必要な栄養素が豊富に含まれています。ビタミンB2は髪の毛や皮膚にはもちろん、脳の活性化にも効果が期待できるので、朝食には栄養満点の納豆を食べることをおすすめします。

食べ物③干しシイタケ

戻した干しシイタケ

干しシイタケには、シイタケの約30倍のビタミンB2が含まれています。その他にも、ビタミンDをはじめとする栄養素が種類豊富に含まれており、健康におすすめの食材です。ビタミンB2は水に溶けやすい栄養素なので、干しシイタケの戻し汁も料理に活用してくださいね。

また、ビタミン不足かなと感じている方は、以下の記事を参考にビタミンが含まれている食べ物や飲み物を学びましょう!

【ビタミンB6】ビタミンB群の効果&食べ物

効果:皮膚や髪の毛を作る・脂質の抗酸化・たんぱく質の代謝に関わる

仲良しの二人

ビタミンB6には、たんぱく質の代謝やエネルギー変換を助け、皮膚や髪の毛などを作る働きがあります。摂取量が足りないと、貧血や下痢、食欲が出ないといった症状が出ることがあるので気を付けましょう。

また、ビタミンB6は、女性ホルモンの代謝に関わります。このため、ビタミンB6は、ホルモンバランスの崩れが原因のひとつである、月経前症候群 (PMS)の症状をやわらげる効果があると言われています。月経前症候群に悩まされている方は、ビタミンB6を意識して摂取してみると良いでしょう。

食べ物①まぐろ・サンマ

マグロどんぶり

まぐろやカツオなどの赤身の魚類には、ビタミンB6が多く含まれています。高たんぱく質で低脂質な魚なので、ダイエット中でも気にせず食べられるのは嬉しいですね。また他のビタミンB群も豊富に含まれており、お肌をきれいにキープするはたらきも期待できますよ。

まぐろの付け合わせとしておすすめなレシピを知りたい方は、以下の記事も目を通してみましょう!

食べ物②レバー

レバーの刺身

ビタミンB6は、レバーにも多く含まれています。特にビタミンB6が豊富なのが牛レバーです。牛レバーは柔らかくて濃厚な味なので、赤ワイン煮や揚げ物がおすすめですよ。

またビタミンB群だけでなく、鉄分やカリウム、ビタミンAといった栄養素も豊富なので、ぜひ積極的に摂取してください。

食べ物③ナッツ類

ミックスナッツ

アーモンドやカシューナッツ、ピスタチオなどのナッツ類にも、ビタミンB6が多く含まれています。特に、ピスタチオには豊富に含まれているのでおすすめです。おやつなどにも手軽に食べられるナッツ類で、ビタミンB群を補給できると良いですね。

【ビタミンB1】ビタミンB群の効果&食べ物

働き:糖質の代謝に関わる・アルコールの分解

お洒落なビール

ビタミンB1には、エネルギー源である糖質を、エネルギーに変換する働きがあります。摂取量が足りないと糖質がエネルギーにならず、脳の働きが弱り疲れやすくなります。肝臓や腎臓の機能も低下しやすくなるので気を付けましょう。

またビタミンB1には、アルコールを分解する働きもあります。アルコールを大量に飲むとビタミンB1が激しく消費され、ビタミンB1不足や、それによる錯乱などの症状が出ることがあります。またビタミンB1は、多く摂取しても尿で排出されるため、摂りすぎについてはあまり心配しなくても問題ありません。

食べ物①豚肉

豚バラ肉

豚肉は、ビタミンB1が効率よく摂取できるおすすめの食べ物です。牛肉の約10倍の量が含まれており、部位にもよりますが、多いものでは100g程度で1日に必要なビタミンB1を摂ることができます。特におすすめなのは豚ヒレ肉です。ビタミンB群は水に溶け出してまうので、茹でるよりも蒸したり煮たりする調理法がおすすめです。

肉の種類によって栄養は異なります。以下の記事では肉の特徴や栄養をまとめているので、是非目を通してみてください!

食べ物②うなぎ

美味しそうなうな丼

うなぎは、ビタミンB群の中でもB1とB2を多く含む食べ物です。うなぎを食べると疲労回復になる、元気が出るというのは、ビタミンB群のおかげです。

食べ物③穀類

大豆やオーツ麦

穀類の胚芽部分には、ビタミンB1が豊富に含まれています。しかし、普段食べている白米は胚芽部分が取り除かれてしまっているため、ビタミンB群はほとんど含まれていません。ビタミンB1を多く摂りたい時には、胚芽米や玄米がおすすめです。

【パントテン酸】ビタミンB群の効果&食べ物

働き:脂質や糖質、たんぱく質の代謝を支え活力を与える

ストレッチする女性

パントテン酸には、身体のエネルギーを作り出し、活力を与え健康を保つ働きがあります。パントテン酸は、気持ちが落ち込みやすい人に欠かせない栄養素です。ホルモンの産出を促進することで、心身のバランスを整えます。

食べ物①鶏肉

鶏の丸焼き

パントテン酸は、鶏ささみや鶏レバー、鶏モモ肉に多く含まれます。ビタミンB群は水に溶けやすいため、煮物のように水分ごと摂取できるな調理法がおすすめです。茹でる時には煮汁をスープとして活用すると、摂取量が増えますよ。

食べ物②アボカド

グリーンの野菜

アボカドは、パントテン酸が多く摂取できる野菜です。パントテン酸だけでなく、ビタミンB群全般やカリウムをはじめとするミネラルなども含まれているため、健康維持におすすめなスーパーフードと言われています。

食べ物③キノコ類

転がったマッシュルーム

シイタケやマッシュルームといったキノコ類にも、パントテン酸が多く含まれます。パントテン酸はビタミンB群の中でも多くの食材に含まれる栄養素ですが、とくにキノコは調理しやすく普段の食事で摂りやすい食べ物なのでおすすめです。

【ビタミンB12】ビタミンB群の効果&食べ物

働き:血液を作る・ふらつきを抑える

貧血気味の女性

ビタミンB12は同じビタミンB群である葉酸と協力し、赤血球を作ります。摂取量が不足すると造血が滞り、ふらつきの原因になるのです。

また血が足りないと、動機や息切れ、めまいといった症状が現れることもあります。気持ちの落ち込みにもつながるので、ビタミンB群の中でも積極的に摂りたい栄養素です。

食べ物①あさり・しじみ

あさりの酒蒸し

ビタミンB12は、あさりやしじみのような貝類に多く含まれています。中でもあさりは、貝類の中でもビタミンB12含有量ナンバー1です。血液をサラサラにするタウリンも多く含まれているので、ふらつきが気になる方に、おすすめの食べ物です。

食べ物②レバー

レバニラ炒め

鶏レバーや牛レバーには、ビタミンB12が豊富に含まれています。レバーには、ビタミンB2、B6、葉酸、ビオチンも含まれており、ビタミンB群が多く摂取できる食べ物です。鉄分も豊富ですから、健康な身体作りにおすすめですよ。

食べ物③卵

2個の卵

卵はビタミンB群以外の栄養素も豊富に含まれており、パーフェクトフードとも言われています。ビタミンB2、B6、葉酸など、他のビタミンB群も豊富です。ビタミンB12が特に含まれているのは、卵の黄身になります。良質なたんぱく質もたっぷり摂れる、健康に良い食べ物です。

【葉酸】ビタミンB群の効果&食べ物

効果:血液を作る・免疫機能を高める

手を広げる女性

葉酸は、ビタミンB群のビタミンB12と共に造血する役目を果たしています。また、免疫機能を高める働きがあるのも特徴です。摂取量が不足すると、免疫力が低下し、病気などにかかりやすくなったり、治りが遅くなったりする原因となります。

葉酸は、ビタミンB12と一緒に摂取すると効果的ですので、ビタミンB群をバランスよく取りましょう。

食べ物①レバー

レバーの煮物

レバーは、ビタミンB群がバランス良く摂れるおすすめの食べ物です。先にもご紹介した通り、葉酸はビタミンB12と一緒に摂れるとより良いため、その意味でもレバーはぴったりです。

食べ物②海藻類

たっぷりのわかめ

野菜類に多く含まれる葉酸ですが、海藻もおすすめの食べ物です。海藻はミネラルや食物繊維も豊富で、健康維持にピッタリです。海苔やわかめ、昆布、ひじきなど、普段の食事に取り入れやすい食べ物も多いですよ。乾物の活用もおすすめです。

食べ物③枝豆

塩のかかった枝豆

枝豆は、野菜の中でも多く葉酸が含まれているおすすめの食べ物です。しかしビタミンB群は水溶性のため、茹でてしまうと葉酸の多くが失われてしまいます。葉酸を逃がさないために、電子レンジで調理するなどの工夫をしましょう。

【ナイアシン】ビタミンB群の効果&食べ物

効果:脂質やたんぱく質の代謝に関わる・皮膚や粘膜を作る

ヨガをする女性

ナイアシンは、脂質やたんぱく質、糖質といったエネルギーの源を、エネルギーとして変換する役割があります。二日酔いを防いだり血流を良くする働きもあるので、頭痛や冷えが気になる方におすすめの食べ物です。

また粘膜や皮膚を作る働きもあり、摂取量が不足すると口内炎やのどの痛み、食欲不振などの原因になることがあります。

食べ物①鶏肉

鶏肉とにんにく

鶏肉はビタミンB群が豊富で、特にナイアシンが多く含まれています。良質なたんぱく質も豊富で、健康な身体作りにピッタリです。皮膚を作る働きは、シミやそばかす、毛穴の黒ずみなどを防ぐことにもつながります。比較的脂質が少ないために消化も良く、女性に人気の食べ物です。

食べ物②たらこ

美味しそうなたらこ

ご飯に良く合うたらこも、ナイアシンが含まれるおすすめの食べ物です。ビタミンB12やパントテン酸といった、他のビタミンB群も入っています。しかし塩分やプリン体といった摂取を控えたいものも多いため、食べ過ぎには注意しましょう。

食べ物③カツオ・さば

さばの塩焼き

カツオやさばのような魚類にも、ナイアシンが含まれています。ナイアシンは、ビタミンB群の中でも熱に強い栄養素なので、焼いたり煮たりする調理をしても壊れる心配はありません。二日酔いを抑える働きがあるので、お酒を飲む際のおつまみや食事としてもおすすめです。

【ビオチン】ビタミンB群の効果&食べ物

効果:たんぱく質・脂質の代謝に関わる・皮膚炎を防ぐ

ジョギングする女性

ビオチンには、エネルギーの元であるたんぱく質や脂質の代謝を助ける働きがあります。アミノ酸をブドウ糖に変換する際にも必要で、身体を動かすために重要な栄養素です。

摂取量が不足すると、疲れやすくなり動くのが億劫になることがあります。またナイアシンが足りないとたんぱく質などがエネルギーにならず、運動や筋トレなどの効果も最大限発揮できない可能性があるので、気を付けましょう。

食べ物①レバー

レバーのパテ

ビタミンB群が豊富なレバーから、ビオチンも摂取できます。レバーの中でも、特に多く含まれている豚レバーがおすすめです。豚レバーは臭みが気になるという方が多いですが、レバニラや甘辛煮にすると匂いを抑えられるのでお試しください。

食べ物②牛乳

牛乳と本

牛乳は、ビタミンB群以外の栄養も豊富な食品です。ビオチン以外のビタミンB群もすべて含まれているので、栄養不足を感じた時には手軽なものとして、コップ一杯の牛乳を飲んでみてはいかがでしょうか。

食べ物③ナッツ類

沢山の種類のナッツ

ナッツ類は、ビオチンが豊富に含まれるおすすめの食べ物です。ナッツの中でも、特にアーモンドやピーナッツに多く含まれています。腹持ちも良いので、間食やおつまみにおすすめです。

ビタミンB群が不足する原因は?

①外食・ファーストフード

ハンバーガーセット

外食やファーストフードなど、脂質の多い食べ物はビタミンB群が不足する原因になります。脂質をエネルギーに変えようと大量にビタミンB群が使われ、不足してしまう可能性が高まるためです。エネルギーとして使われなかった脂質は身体に蓄積され、肥満の原因にもなります。

②お菓子・デザート

フルーツパンケーキ

お菓子やデザートなど甘い食べ物の摂りすぎも、ビタミンB群が不足する原因です。ビタミンB群には糖質をエネルギーに変換する役目もあり、甘いものを摂取しすぎるとビタミンB群が不足する恐れがあります。脂質と同様、肥満の原因にもなってしまいますので、注意してください。

③お酒

みんなで乾杯

お酒の飲みすぎによっても、ビタミンB群が不足します。ビタミンB群はアルコールを分解するために大量に使われるため、日常的にお酒を飲む方は特に、ビタミンB群不足に注意が必要です。不足を防ぐために、ビタミンB群を多く含む食べ物をおつまみにするといいですよ。

ビタミンB群を含む食べ物をバランスよく摂取しよう!

ビタミンB群は、エネルギーの産生や代謝アップなど、健康維持に欠かせない栄養素です。ビタミンB群の摂取が不足すると、様々な症状が表れてしまうことも分かりました。この記事を参考にして、ビタミンB群が不足しないよう意識して食べ物を選んでみてくださいね!