海苔に含まれる栄養素「葉酸」について。体内での働きや摂取時の注意点とは
海苔に多く含まれる、「葉酸」という栄養素をご存じですか?ビタミンB群の一つで、女性にとって重要な役割を果たしています。そこで今回は、葉酸とは何か、働きや注意点、おすすめの海苔料理などをご紹介します。ぜひ、参考にしてくださいね!
海苔には「葉酸」が豊富に含まれています
海苔は、健康に欠かせない「葉酸」という栄養素が豊富に含まれており、積極的に摂りたい食材です。葉酸は、体内で一体どのような働きをするのでしょう。また海苔から葉酸を摂取するときに、注意すべきことなどはあるのでしょうか。
海苔に含まれる栄養素「葉酸」とは?
①ビタミンB群の一つ
海苔に多く含まれている葉酸は、「ビタミンB群」の一つです。ほうれん草から発見された栄養素なので、葉酸と呼ばれています。ビタミンB群は水溶性なので、光や熱に弱いのが特徴です。主に体内で血液を作る働きをすることから、「造血ビタミン」とも言われています。
②ビタミンB12と共に働く
葉酸はビタミンB12と一緒に摂取することで、効果を発揮します。葉酸は血液を作り貧血を予防する効果があると言われていますが、ビタミンB12と同時に摂らなくては意味がありません。
またビタミンB群は8種類あり、互いに助け合うことで働く栄養素なので、バランスよく摂取する必要があります。海苔は葉酸以外のビタミンB群はもちろん、ビタミンCや食物繊維なども豊富です。
以下の記事では、ビタミンが豊富に含まれている食べ物や飲み物を紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみてください!
③1日に必要な葉酸の摂取量
海苔に多く含まれる葉酸は、1日に240㎍必要です。男女ともに重要ですが、生理や妊娠などで貧血になりやすい女性は、特に積極的に摂りたい栄養素になります。また葉酸は胎児の成長にも大きな役割を果たすため、妊娠中の女性は2倍の摂取が必要です。
| 18歳以上の男女 | 240㎍ |
| 妊娠中の方 | 480㎍ |
(*1)の情報は、日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考にしました。
④海苔の葉酸含有量
焼き海苔には、100g当たりおよそ1900μgの葉酸が含まれています。焼き海苔は、葉酸の含有量が最も多いおすすめの食材です。しかし、100g当たりの含有量だということに注意しなくてはいけません。
海苔は1枚あたり3g程度ですから、1度に100gもの量を食べることはまずないでしょう。海苔1枚あたりの葉酸の含有量は、およそ60μgです。
1日に必要な葉酸は240㎍ですから、4枚も食べる必要があります。海苔だけで葉酸を摂取しようとせず、補助的に食べる方法がおすすめです。
| 焼き海苔 | 100g当たり1900μg |
| 味付海苔 | 100g当たり1600μg |
| 海苔の佃煮 | 100g当たり1500μg |
(*2)の情報は、食品成分データベースを参考にしました。
海苔に含まれる葉酸の効果&働き
①赤血球を作る
葉酸の主な働きは、ビタミンB12と共に体内で赤血球を作ることで、鉄分同様血液生成に欠かせない栄養素になります。先にも紹介した通り、葉酸は「造血のビタミン」と言われており、貧血を予防する効果があります。
逆に不足することで貧血の原因になったり、口内炎になってしまう恐れもあるので、しっかり摂取していきたいですね。
②DNAの合成
海苔に多く含まれる葉酸は、DNAの合成に必要な成分です。摂取した人はもちろん、妊娠中は赤ちゃんのDNAの合成にも役立ちます。特に妊娠初期には、赤ちゃんの脳や心臓など重要な部分が形成されるため、しっかり摂取しましょう。
葉酸が不足すると、赤ちゃんの先天性異常が生じる可能性が高くなると言われています。普段の食事に海苔をプラスするなどの工夫をして、葉酸が不足しないよう心掛けましょう。
③たんぱく質の合成
葉酸には、身体を作る重要な栄養素、たんぱく質を合成する効果があります。たんぱく質というと筋肉を作る成分というイメージがありますが、皮膚や髪の毛などにも必要な栄養素です。
特に妊娠中は赤ちゃんの健康な身体を作る働きもあり、積極的に摂る必要があります。
以下の記事では、妊娠中の方におすすめな栄養バランスを考えた献立を紹介しています。ぜひチェックしてみてください!
④動脈硬化の予防
葉酸とビタミンB12を摂取すると、動脈硬化の予防になると言われています。動脈硬化の危険因子だと考えられているホモシステインをメチオニンに変換する効果があることが、最近の研究で示唆されました。
海苔に含まれる葉酸を摂取するときの注意点
①過剰摂取に注意
葉酸の含有量が多い海苔ですが、食べ過ぎには注意してください。海苔の適切な摂取量は、1日2~3枚と言われています。海苔には葉酸以外の栄養素も多く含まれており、特に食物繊維の含有量が多く、摂りすぎるとお腹を壊す恐れがあります。
食物繊維は、適量であればお腹の調子を整えてくれる働きのある栄養素です。過剰摂取にならないよう、注意して食べるようにしましょう。
②できるだけ加熱しない
海苔を食べるときには、できるだけ加熱しない調理方法がおすすめです。葉酸は水溶性のビタミンで、光や熱に弱い栄養素になります。加熱する調理方法の場合は、あとから海苔を入れるなど、できるだけ熱が加わらないよう工夫しましょう。
③スープや鍋がおすすめ
海苔に限らず、葉酸の含まれる食材の調理方法は、スープや鍋がおすすめです。葉酸は水溶性ビタミンなので、水に流れてしまう特性があります。汁ごと飲むスープや鍋であれば、流れ出てしまった葉酸も摂取できますよ。
葉酸を効率よく摂取するおすすめの海苔料理5選
①チョレギサラダ
韓国海苔がたっぷりかかった、ゴマ油香るチョレギサラダです。いつものサラダにちぎった韓国海苔を乗せ、お好みのドレッシングをかけるだけでもOKですよ。韓国海苔は初めから塩味が効いているので、味付けが濃くなりすぎないよう気を付けましょう。
- レタス…1/4個
- きゅうり…1本
- 鶏ささみ…3本
- 韓国海苔…1~2枚
- ゴマ油…大さじ1と1/2
- 醤油…大さじ3
- おろしにんにく…小さじ1
- コチュジャン…小さじ1
- ウェイパー…小さじ1
- 砂糖…小さじ1
- 酢…大さじ1と1/2
- ごま…お好みで
おすすめの海苔料理:チョレギサラダの材料(2人分)
- 鶏ささみは筋を取り、茹でて裂いておきます。
- レタスときゅうりは食べやすい大きさに切り、水にさらしておきます。
- 耐熱皿にゴマ油、醤油、おろしにんにく、コチュジャン、ウェイパー、砂糖、酢を入れて混ぜ、600wのレンジで20秒加熱します。
- ②の水を切り、①と一緒に皿に盛ります。
- ④に③のたれをかけ、韓国海苔をちぎって乗せます。
- お好みでゴマをかけたら、出来上がりです。
おすすめの海苔料理:チョレギサラダの作り方
②和風海苔サラダ
サッパリとしたサラダが食べたいときには、海苔を入れた和風サラダがおすすめです。味付け海苔を活かしたシンプルな味付けのサラダなので、素材の味を楽しめます。味が薄いときには、市販のドレッシングなどで調節してくださいね、
- 味付け海苔…2枚
- 水菜…1束
- カニカマ…3本
- 鰹節…5g
- えごま油…お好みで
おすすめの海苔料理:和風海苔サラダの材料(1人分)
- 水菜を3cmくらいに切ります。
- ボウルに①を入れ、裂いたカニカマ、鰹節、ちぎった味付け海苔、えごま油を入れて和えます。
- 味付け海苔がなじんだら、出来上がりです。
おすすめの海苔料理:和風海苔サラダの作り方
③海苔と小松菜のふりかけ
ご飯が進む、海苔と小松菜のふりかけです。小松菜にも葉酸が豊富に含まれており、妊婦さんにもおすすめのふりかけになります。ふりかけですが、2~3日で食べきるようにしましょう。保存方法は、タッパーなどフタのできる容器に入れ冷蔵庫に入れてください。
- 小松菜…1束(200g)
- 焼き海苔…2枚
- ゴマ油…小さじ2
- 塩…小さじ1/3
- ごま…小さじ1
おすすめの海苔料理:海苔と小松菜のふりかけの材料(3~4人分)
- 小松菜を、1cmくらいに細かく切ります。
- フライパンに①とゴマ油を入れしんなりするまで炒めます。
- 焼き海苔を細かくちぎって②に入れ、塩とごまを入れて炒めたら出来上がりです。
おすすめの海苔料理:海苔と小松菜のふりかけの作り方
④キンパ
韓国風海苔巻きキンパも、海苔を美味しく食べられるおすすめの食事です。海苔巻きは酢飯を使いますが、キンパは塩とゴマ油で味付けしたご飯を使います。お肉が入っているので、男性や子どもにも人気がありますよ。プルコギを入れても美味しいので、ぜひお試しください。
- ご飯…1合
- 塩…ひとつまみ
- ゴマ油…小さじ1
- 焼き海苔…2枚
- 卵…1個
- 砂糖…小さじ1
- 米油…大さじ1
- ほうれん草…1/2束
- もやし…20g
- 豚コマ肉…30g
- キムチ…30g
- ★ゴマ油…小さじ1×2
- ★砂糖…小さじ1×2
- ★醤油…小さじ1/2×2
おすすめの海苔料理:キンパの材料(2本分)
- ご飯に、ゴマ油を混ぜておきます。
- 卵に砂糖を入れ、米油を入れたフライパンで炒り卵にします。
- ほうれん草を茹で3cmくらいに切り、★ゴマ油、★砂糖、★醤油で和えます。
- もやしを茹で、★ゴマ油、★砂糖、★醤油で和えます。
- 豚コマ肉とキムチを混ぜ、フライパンで炒め冷まします。
- 巻きすの上にラップを敷き、焼きのりとご飯を乗せます。
- ⑥に②~⑤を乗せ、巻きます。
- 焼き海苔がなじんだら、2cmくらいに切って出来上がりです。
おすすめの海苔料理:キンパの作り方
⑤海苔の佃煮パスタ
海苔の佃煮を使った、簡単で美味しいパスタの作り方です。味付けは海苔の佃煮がメインなので、お好みで量を調整してください。仕上げにもみ海苔をかければ、美味しいのはもちろん葉酸の量もアップしますよ。
- パスタ…80g
- キャベツ…2~3枚
- 海苔の佃煮…大さじ1~2
- バター…10~20g
- 粉チーズ…大さじ1
- レモン果汁…少々
おすすめの海苔料理:海苔の佃煮パスタの材料(1人分)
- キャベツを食べやすい大きさにちぎります。
- パスタを茹で、ゆであがり時間の2分前に①を入れて一緒に茹でます。
- 耐熱皿にバターを入れ、500wのレンジで20秒ほど温め溶かします。
- ③に海苔の佃煮を入れて良く混ぜます。
- ④に②を入れ、粉チーズを入れてよく和えます。
- 器に盛ってお好みでレモン果汁をかけたら、出来上がりです。
おすすめの海苔料理:海苔の佃煮パスタの作り方
海苔を食べて葉酸を摂取しよう!
海苔には、身体に嬉しい栄養素「葉酸」がたっぷり含まれています。葉酸の働きや、摂取の際の注意点などが分かりました。調理方法やおすすめの海苔料理なども参考にして、効果的に葉酸を摂取してくださいね!
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