「クエン酸」の多い食べ物は?体内での働きや効果的な摂取の仕方とは?
美容や健康に良いとうわさのクエン酸ですが、どんな食べ物から摂取できるのか詳しく知りたいと思いませんか?クエン酸が豊富な食べ物を、効果的な摂取の仕方とあわせてまとめてみました。美容や健康へのクエン酸の働きといっしょに、ぜひ目を通してみてください。
クエン酸は食べ物から摂取すべき?
掃除用のアイテムとしてよく見かけるクエン酸は、私たちのからだにとって必要な栄養成分でもあります。クエン酸は、体内でも合成されますが食べ物から摂取することでもたらされる作用もあります。
クエン酸を摂ることは、美容や健康に影響を与えるので、含有量が豊富な食べ物を押さえておきましょう。クエン酸は、名前の通り酸性の成分です。食べ物の酸味成分のひとつでもあるので、すっぱい食品に多く見られます。
クエン酸の多い食べ物の一覧
食べ物①お酢
クエン酸の多い食べ物といえば、お酢です。お酢の主成分である酢酸には、体内に取り込まれるとクエン酸として働くという特徴があります(*1)。バルサミコ酢、黒酢、米酢など、おなじみの食酢を使って摂取してみましょう。
| バルサミコ酢 | 5.6g |
| リンゴ酢 | 4.7g |
| 米酢 | 4.4g |
| 穀物酢 | 4.2g |
| 黒酢 | 4.0g |
(*1)は、病院検索のここカラダ「医療・健康なんでもQ&A」より参照しました。
食べ物②果物
レモンやキウイのように、酸味のある果物にもクエン酸は豊富に含まれています。そのままカットしてクエン酸が摂取できる食べ物なので、朝食やデザートとして活用してみてください。
| レモン(果汁) | 6.5g |
| グレープフルーツ | 1.1g |
| キウイ | 1.0g |
| いちご | 0.7g |
| パイナップル | 0.6g |
以下の記事では、冷凍フルーツの効果や食べ方を紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてください!
食べ物③梅製品
梅干しは、クエン酸が多い食べ物として有名です。梅の果実そのものにクエン酸が豊富に含まれているので、梅シロップや梅酒などに加工されたものでも大丈夫です。液体にして飲めるぶん、シロップや梅酒のほうが効率的に摂取できます。
| 梅シロップ | 10.9~17.9g |
| 梅酒 | 7.4~12.3g |
| 梅干し | 3.4g |
(*2)~(*5)は、文部科学省「食品成分データベース」と、「静岡県伊豆市月ヶ瀬梅林産梅とその加工品に含まれる有用成分比較」より参照しました。
美容に関するクエン酸の働き
クエン酸には、美容に良い働きがあります。肌やボディメイクといった美容コンディションの悩みを持つ方は、クエン酸が豊富な食べ物を摂るようにしてみましょう。
美肌をサポートする
美肌サポートは、クエン酸が持つ美容にうれしい働きのひとつです。クエン酸には、新陳代謝を促進させる働きがあるので、肌の古い角質をはがして新しく生まれ変わらせてくれます。
レモンやキウイなどの果物からクエン酸を摂るようにすると、美肌に欠かせないビタミンCも一緒に摂取できます。肌のコンディションの悩みがある方は、ぜひ試してみてください。
ボディメイクに役立つ
クエン酸には、エネルギー代謝を活発にさせる働きもあります。食事から摂取した糖質・脂質・たんぱく質などの栄養を、効率よくエネルギーに変えてくれるのです。
エネルギー代謝が活発になることは、食事からの栄養素が脂肪として蓄積されにくくなることを意味します。その結果、効率のよいボディメイクにつながるので、体重が気になる方は食べ物からクエン酸を摂るようにしてみましょう。
また、以下の記事では筋肉量が増える食事やおすすめの運動法を紹介しています。美ボディを目指したい方はぜひチェックしてみてください!
健康に関するクエン酸の働き
健康の面でも、クエン酸は欠かせない成分です。食べ物を摂ることでしか得られない働きもあるので、意識して摂取してみてください。
エネルギーをつくり出す
エネルギー代謝を活発にするクエン酸は、活動のためのエネルギーを生み出すのに欠かせません。クエン酸は、体内でも合成できる成分ですが、食べ物からも摂っておかなければ、エネルギー産生の働きが鈍るといわれています。
働きが鈍ったエネルギー代謝は、 クエン酸が豊富な食べ物を摂取することで改善できるようになります。 いろいろな食べ物を活用しながら、健康的に活動するためのエネルギーをつくり出しましょう。
ミネラルの吸収を助ける
ミネラルの吸収を助けることも、クエン酸の大切な働きのひとつです。鉄分やカルシウムといったミネラルは、健康に欠かせませんが、食べ物から摂取しても体内に吸収されにくいという特徴があります。
クエン酸が多い食品を摂ると、腸内は弱酸性になるといわれています。腸内が弱酸性になれば、カルシウムなどのミネラルは溶けやすくなり、体内への吸収が良くなるのです。
疲労に良い
クエン酸には、疲労に良い働きも期待できます。疲れた時に酸っぱい食べ物が欲しくなったり、運動の時にはちみつレモンが良いと言われたりしているのは、クエン酸の働きが理由だといわれています。
クエン酸を食べ物から摂取すると、乳酸という疲労物質を分解してくれます。疲れた時や運動の後は、クエン酸が豊富な食品を摂って、疲れのもとを吹き飛ばしましょう。
食欲をアップさせる
クエン酸の酸味には、食欲をアップさせる働きがあります。酸っぱい食べ物を摂ると、自然に唾液があふれてきます。クエン酸の酸味が、唾液や胃液の分泌を活発にして食欲をアップさせるといわれています。
健康のためには、しっかりと食べることが大切なので、食欲がない時はクエン酸を活用してみましょう。クエン酸が豊富な食べ物の中で、特に梅干しがおすすめです。
クエン酸の効果的な摂取方法
食べ物からクエン酸を摂るなら、効果的な摂取方法も押さえておきましょう。いろいろな食品と組み合わせたり、摂取する時間を意識したりすることで、より良い効果が期待できます。
ミネラル豊富な食べ物と摂取
クエン酸の効果的な摂取方法として、ミネラル豊富な食べ物と一緒に摂ることをおすすめします。特に意識しておきたいのが、鉄分とカルシウムです。どちらも健康に過ごすために必要とされるミネラルですが、食べ物から十分な量を摂取しにくいミネラルとして有名です。
クエン酸とミネラルをいっしょに摂る方法なら、鉄分やカルシウムの摂取量も増やせます。同じタイミングで食べるだけでOKなので、鉄分不足やカルシウム不足で悩んでいる方は活用してみましょう。
- 鉄分:レバー・赤身肉・赤身魚・大豆製品・小松菜・ほうれん草など
- カルシウム:牛乳・乳製品・小魚・サバ缶・海藻など
ミネラルが豊富な食べ物
また、以下の記事では、コンビニで購入できるミネラルが豊富の飲み物を紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみてください!
ビタミンB群が豊富な食べ物と摂取方法
クエン酸は、ビタミンB群が豊富な食べ物と一緒に摂取すると、より効果的なエネルギー代謝が可能になります。ビタミンB群も、エネルギー代謝に必要な栄養成分なので、健康的に活動するためのエネルギーを産生する方法としておすすめです。
- B1:豚肉・うなぎ・玄米など
- B2:豚レバー・納豆・卵など
- ナイアシン:カツオ・ピーナッツ・きのこ類など
- ビタミンB6:牛レバー・鶏ささみ・サンマなど
- ビタミンB12:あさり・しじみ・サバなど
- 葉酸:鶏レバー・緑黄色野菜・枝豆など
ビタミンB群が豊富な食べ物
時間を分けて摂取する
時間を分けて摂る方法は、クエン酸の摂取を効果的にしてくれます。クエン酸は、体内に留めておくことができない栄養成分です。そのため、1回でまとめて摂るよりも、時間を分けて1日に何度も摂取したほうが良いとされています。
クエン酸を摂る時は、1日3~4回に分けて摂取しましょう。ちなみに、1日あたりの摂取量の上限は定められていません。大量に摂っても余剰分は排出されるので心配しなくても大丈夫です。疲労回復のための推奨量としては1日2g、運動時は5gといわれています(*6)。
(*6)は、福西会病院栄養科「疲労回復に効果のある栄養とその食材」より参照しました。
おすすめのクエン酸の摂り方
クエン酸が多い食べ物は、種類が限られています。また、味わいも酸味が強いものばかりなので、そのまま食べるのには向いていない食品ばかりです。クエン酸が多い食べ物を摂りやすくするためには、ドリンクやドレッシングにアレンジするのがおすすめです。
ドリンクで摂る
クエン酸が多い食べ物は、ドリンクにすると摂りやすくなります。黒酢やリンゴ酢などはドリンクの材料としてよく利用されますし、果物はフルーツジュースにしやすいです。梅シロップや梅酒は、そのまま飲んでもアレンジしてもおいしくいただけます。
梅干しを使ってもドリンクは作れるので、いろいろなレシピを試してみましょう。ドリンクなら、1日何回でも簡単にクエン酸が摂れます。
- 梅干し 中1個
- リンゴ酢 大さじ2杯
- はちみつ 適量
- 炭酸水 250ml
- 氷 適量
梅干しとリンゴ酢のドリンクの材料(1人分)
- 梅干しは種を取って、包丁の背でたたきます。
- グラスに梅干しを入れて、リンゴ酢とはちみつを加えます。
- 全体をよく混ぜて、炭酸水と氷を加えて2を溶かせば完成です。
- 寒い時期は、炭酸水と氷の代わりにお湯を使いましょう。
梅干しとリンゴ酢ドリンクの作り方
ドレッシングで摂る
クエン酸が多い食べ物は、ドレッシングやソース、たれなどにするのもおすすめです。サラダにかけたり、肉料理のソースにしたりするだけで、簡単にクエン酸が摂れるようになります。爽やかな酸味を料理に生かせば、食欲をそそる一品になることでしょう。
- バルサミコ酢・レモン果汁 各大さじ1/2杯
- オリーブオイル・はちみつ 各大さじ1/2杯
- ハーブソルト・コショウ 適量
レモンとバルサミコ酢のドレッシング(1回分)
- 器にバルサミコ酢・レモン果汁・オリーブオイル・はちみつを入れます。
- よく混ぜ合わせて、ハーブソルト・コショウで味を整えます。
- 完成したら、サラダにかけて食べてください。
レモンとバルサミコ酢のドレッシングの作り方
クエン酸が多い食べ物を食事に取り入れよう
健康や美容コンディションが気になるのなら、クエン酸が多い食べ物を摂ることも大切です。酸味が強い食べ物が多いので、酸っぱいのが苦手な方はなかなか摂ることがないため気をつけてください。
クエン酸の酸味は、ドリンクやドレッシングなどにアレンジすることで摂りやすくなります。効果的な摂取方法と併せて、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。きっと健康や美容コンディションのサポートをしてくれます。