小豆はダイエットに向いてる?気になるカロリーや糖質、ダイエット時の摂り方について
小豆は、和菓子などの材料に使われ、日本では古くから親しまれている食品です。小豆には、ビタミンB群をはじめ、食物繊維やミネラルなどダイエットに効果のある栄養素が含まれています。そこで今回は、小豆のカロリーや糖質、ダイエット時の摂り方について解説します。
小豆とはどんな豆?
小豆(あずき)の由来は「あ」は赤色、「ずき」は溶けやすいという意味があり、赤くて溶けやすいことから「あずき」になったとされています。
小豆の中にも、大納言、中納言、白小豆などいくつかの品種があります。大納言は、小豆の中でも大粒で、煮ても皮が破れにくい特徴を持っています。一般的に「小豆」と呼ばれるのは、大納言を除く品種で、大粒であっても煮崩れするものは大納言とは呼びません。
日本では、和菓子、あんパン、お汁粉など小豆と言えば甘いお菓子といったイメージがあります。しかし、その栄養価は高たんぱく・低脂質で食物繊維も豊富なとても健康に良い食品です。
上記の情報は「公益社団法人 日本豆類協会 豆の種類別特徴」より参照しました。
小豆のカロリー・糖質
乾燥小豆は、100gあたりカロリー304kcal、糖質34.8gです。一般的に、小豆を食べる際には茹でてから食べます。茹で小豆は、100gあたりカロリー124kcal、糖質16.9gです。なお、糖質量は炭水化物量から食物繊維量を引いた量です。
カロリー | 糖質量 | 炭水化物量 | 食物繊維量 | |
小豆(全粒 乾燥) | 304kcal | 34.8g | 59.6g | 24.8g |
小豆(全粒 茹で) | 124kcal | 16.9g | 25.6g | 8.7g |
参考までに、炊飯した白米100gあたりのカロリーは156kcal、糖質は35.6g(*2)ですので、米飯と比べるとカロリー、糖質ともに少なめです。
(*1、*2)は「文部科学省 食品成分データベース」より参照しました。
小豆に含まれる栄養素
①食物繊維
小豆には、不溶性食物繊維が多く含まれています。水に溶けない性質であるため、水分を吸収して便の量を増やすことで、腸のぜん動運動を活発にし、便秘の改善に役立ちます。便秘が改善されることで腸内環境も整い、美肌効果も期待できます。
食物繊維は、小豆の皮に多く含まれているため、小豆を食べる際には皮ごと調理して食べるようにしましょう。
②ビタミンB1
小豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質の代謝に必要な栄養素です。糖質は代謝により活動のエネルギーを生み出します。ビタミンB1を十分に摂取することで代謝が上がり、ダイエットにも役立ちます。
ビタミンB1が不足すると代謝がうまくいかず、エネルギーが産生されにくいため、疲れやすくなります。ビタミンB1をしっかり摂ることで、疲労回復効果も期待できます。
③サポニン
サポニンは、小豆の外皮に多く含まれる栄養素です。コレステロールや中性脂肪の増加を防いだり、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、血流を改善する効果もあり、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも役立ちます。
さらに、サポニンには利尿作用があり、体内の余分な水分を排出する働きをしてくれます。体内の余分な水分が排出されることで、むくみの予防に効果があります。むくみが解消されることで、体重も減り、見た目も引き締まって美しくなります。
上記の情報は「井村屋 あずきと健康」より参照しました。
④ポリフェノール
小豆に含まれるポリフェノールには、カテキンやルチン、カテキングルコシドなどがあります。ポリフェノールには中性脂肪やコレステロールを低下させる作用があり、ダイエットに効果的な栄養素です。
小豆に含まれるポリフェノールの中でも特に多いのが「カテキングルコシド」です。カテキングルコシドには、非常に強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を取り除き、老化防止や美肌を作る効果が期待できます。
上記の情報は「公益財団法人 日本豆類協会 豆の主な機能性成分」より参照しました。
⑤鉄分
鉄分は、血液を作るのに必要な成分です。血液中のヘモグロビンの主な原料となり、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。鉄分が不足すると、疲れやすくなったり、めまいや立ちくらみがしたりと、貧血症状を引き起こす原因となります。
ダイエット中は食事の量を減らしたり、運動によって酸素の必要量が増えることで鉄分が不足し、貧血になりやすくなります。鉄分の豊富な小豆を食事に取り入れることで、鉄分不足を解消しましょう。
上記の情報は「わかさ生活 わかさの秘密 鉄」より参照しました。
小豆のダイエット効果
①代謝を上げる
小豆のダイエット効果としてまず期待できるのが、豊富に含まれるビタミンB群によって代謝が上がることです。痩せやすい体を作るには、代謝がとても重要です。私たちの体には『活動による代謝』『食事誘発性熱産生』『基礎代謝』の3つの代謝があります。
この中でも、基礎代謝は最も多くのエネルギーを使います。体内で代謝がスムーズに行われるために必要なのが、小豆に含まれるビタミンB群です。ビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるために、ビタミンB2は脂質がエネルギーに変わるためにそれぞれ必要な栄養素です。
このように、小豆には代謝を上げるために必要なビタミンB群が豊富に含まれるため、小豆を摂取することで痩せやすい体を作ることが期待できます。
②むくみの解消
むくみは、体内に余分な水分が蓄積することで起こります。水分が蓄積しているため、体重は増加しますし、足が太くなったり、顔も膨らんで見えます。
小豆に含まれるサポニンやカリウムは、利尿作用によってむくみの原因となる余分な水分を体外へ排出する働きがあります。むくみを解消すると、体重が減り、足や顔もスッキリすることでダイエット効果を実感できます。
③お通じの改善
便秘は腸内に便が停滞している状態です。そのため、お腹がポッコリと膨らんで見えたり、余分な老廃物が体内に蓄積して肌トラブルの原因になったりします。便秘でない時に比べると、体重も増加した状態になります。
小豆には、便秘を改善し、腸内環境を整える食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維を摂ることで便秘を予防し、老廃物を排出することにより、ダイエット効果だけでなく女性に嬉しい美肌効果も得ることができます。
小豆をダイエットに取り入れる時のポイント
①砂糖を加えない調理方法で食べる
小豆を食べる際には、砂糖を加えない調理方法をおすすめします。小豆は、和菓子の材料によく使われる食材なので、砂糖を使って調理することが多くなりがちです。市販の和菓子やあんぱんなどに使われているあんこが甘いのは、大量の砂糖で甘味をつけているためです。
砂糖を加えることで、カロリーが増えます。さらに、砂糖は血糖値を上昇させたり、過剰に摂取した糖分は体脂肪となって体に蓄積されます。ダイエットのために小豆を摂っているはずが、太る原因になることもありますので砂糖を使わない調理方法で食べるようにしましょう。
しかし、砂糖を加えることでカロリーが増えます。さらに、砂糖は血糖値を上昇させたり、過剰に摂取した糖分は体脂肪となって体に蓄積されたりします。ダイエットのために小豆を摂っているはずが、太る原因になることもありますので、砂糖を使わない調理方法で食べるようにしましょう。
②適量を守り、食べ過ぎに注意する
小豆が体に良く、ダイエットに向いている食材とはいっても、食べ過ぎは良くありません。小豆は低カロリーの食品ではありません。食べ過ぎることで摂取カロリーが過剰になると、太る原因になることもあります。
また、たくさん食べたからといって急激に痩せるわけでもありません。小豆をダイエットのために食べるのであれば、適量を守ることで良い効果を得ることができます。毎日の食事で少しずつ摂取して、継続していきましょう。
③市販の「あんこ」は控える
市販のあんこには大量の砂糖が含まれているものが多く、ダイエットには不向きです。あんこを使った和菓子は、洋菓子に比べると、脂質が少なく低カロリーなイメージがありますが、やはり食べ過ぎには注意が必要です。
小豆を食べる際には、乾燥小豆を購入し、自分で調理してから食べることをおすすめします。後ほど、ダイエットに効果的なレシピも紹介しますので参考にしてみてください。
小豆を使ったダイエットレシピを紹介
ダイエットレシピ①茹で小豆・小豆水
茹で小豆は、砂糖を加えず小豆を茹でる調理方法だけで完成する食品です。砂糖を加えていないため低カロリーで低糖質です。さらに、茹で小豆を作る際に出た茹で汁が「小豆水」です。小豆から出た栄養素が溶け込んでいるため、ダイエットにも美容にも効果的です。
- 小豆 100g
- 水 1~1.5L
茹で小豆・小豆水の材料
- 小豆をきれいに洗う
- 水気を切ってからフライパンで2分程、乾煎りする
- 小豆と水を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして30分程煮る
- ボールの上にザルを置き、茹で小豆とゆで汁を分けて完成
作り方
作った小豆汁は長期保存には向いていませんので、2~3日ほどで飲み切るようにしてください。
ダイエットレシピ②小豆ご飯
小豆ご飯はお赤飯と似ていますが、もち米を使っていません。そのため、お赤飯に比べてあっさりとしています。小豆から溶け出した栄養素が米に浸透し、栄養素を無駄なく摂取できます。炊飯器を利用すれば簡単にできますのでおすすめです。
- 小豆 50g
- 米 2合
材料(2合分)
- 米を研ぎ、炊飯器の2合の目盛りに合わせて水を入れる
- 小豆を入れる
- 普通炊きで炊飯したら完成
作り方
ダイエットレシピ③いとこ煮
抗酸化作用の強いビタミンC、ビタミンEが豊富なかぼちゃと一緒に摂取することで、体内の老化を防ぐ効果があります。体の細胞が若々しいと、エネルギー代謝も効率よく行われ、ダイエット効果も高まります。
- 茹で小豆 100g
- かぼちゃ 300g
- 水 400ml
- ◆醤油 大さじ1
- ◆砂糖 大さじ1
- ◆塩 少々
材料
- 鍋に水300mlと、食べやすい大きさに切ったかぼちゃを入れ、弱火で煮る
- 水が1/3程度まで減ったら、◆の調味料と残り100mlの水を加え、鍋をゆすっててなじませる。
- ゆで小豆を入れる
- 煮汁がほぼ無くなる程度まで煮詰めたら完成
作り方
ダイエットレシピ④小豆寒天
茹で小豆と、小豆水を使って作るデザートレシピです。砂糖は控えめで低カロリーです。小豆の栄養成分をしっかりと摂ることができるダイエット中にも嬉しいレシピです。
- 茹で小豆 100g
- 砂糖 大さじ1
- 寒天 4g
- 小豆水 250ml
材料
- 鍋に小豆水、寒天、砂糖を入れて沸騰させる
- 火を止め、茹で小豆を入れて混ぜ、耐熱容器に入れて冷ます
- 粗熱が取れたら冷蔵庫でよく冷やして完成
作り方
体に良い栄養が豊富な小豆をダイエットに活用してみましょう
小豆は、低カロリー低糖質とは言えないため、糖質制限ダイエットには不向きです。しかし、ダイエットに適した栄養素が豊富に含まれており、その他のダイエット方法に向いている食品です。
美肌効果や生活習慣病の予防などの作用を持つ栄養素も多く、健康によい食品です。摂取方法に気をつけながら、毎日の食事に上手く取り入れてみてください。