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2023.02.16 HEALTH

「糖類ゼロ」は完全に無ではない!糖質との違いや基準、ダイエット中の注意したい事とは

食事制限のダイエットをしていると、「糖類ゼロ」や「カロリーゼロ」の表示がされている食べ物や飲み物をついつい手にとってしまいますよね。しかし、この「ゼロ」表示は「完全に無」ではないのです。ここでは、糖類ゼロについてや糖質との違いについてもご紹介します。

糖類ゼロは太るの?

近年、自宅で過ごすことも増え、なかなか運動する機会も少なくなっています。健康のためにもダイエットをしたいと考える方の中には、手軽に始められる「食事制限ダイエット」から取り組まれる方も多いのではないでしょうか?

「糖質制限ダイエット」をしている方にとって、「糖類ゼロ」や「糖質ゼロ」の商品はダイエットに良いイメージがありますよね。しかし、糖類ゼロだからといって「完全に糖類が入っていない」というわけではないのです。また、糖類と糖質も完全にイコールではありません。

この表示の意味をしっかり理解していないと、糖類ゼロ食品を食べているのに「なかなか痩せない」「太ってしまった」なんてことにもなりかねません。糖類ゼロとは、一体どういうことなのでしょうか?「ゼロ」の表示基準や、糖類と糖質の違いについてもご紹介します。

糖類と糖質の違い

糖類とは?

糖類は、食品表示基準により「単糖類又は二糖類であって糖アルコールでないもの」とされています。簡単に言えば、糖類は糖質の1部であり、単糖類と二糖類を足したものということになります。

単糖類は果糖・ブドウ糖、二糖類は砂糖・乳糖・麦芽糖などのことで、糖アルコールはキシリトール、マルチトール、還元麦芽糖水飴など、低カロリー甘味料として使用されています。体のエネルギーとなる糖類ですが、食後の血糖値を上昇させる要因でもあります。

上記の情報は「株式会社 東邦微生物病研究所・糖類と糖質の違い」「Kanro・糖質と糖類って、何が違うの?」を参照しました。

糖質とは?

「糖質制限ダイエット」をするとき、砂糖などの甘いものの他に、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を減らすイメージがあるため、糖質と炭水化物が同じだと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、実際は炭水化物の一部と言えます。

食品表示基準により、糖質は「炭水化物から食物繊維を除いたもの」とされています。ダイエットに欠かせない食物繊維も炭水化物の一部というわけです。また、この糖質は「糖類・多糖類・多糖アルコール」で構成されています。

多糖類とは、米や小麦粉、いも類などに含まれるでんぷんのことです。糖質は、体のエネルギー源となる重要な栄養素で、体温の維持や疲労回復にも役立ちます。過剰摂取は、やはり太る原因にもなるので注意が必要ですが、体に必要な栄養素であることも忘れてはなりません

糖類ゼロと糖質ゼロの違い

糖類ゼロとは?

「糖類ゼロ」と表示できる基準は、食品表示法の食品表示基準に基づき定められています。糖類ゼロと表示できるものは、食品100g当たり(飲料の場合100ml当たり)の含有量が0.5g未満のものになります。

つまり、糖類が完全にゼロではなくても「ゼロ・無・ノン・レス」などの表示ができるというわけです。また、糖類は単糖類と二糖類のことを指します。糖類が完全にゼロだったとしても、オリゴ糖やでんぷんなど、糖類を除いた他の糖質が含まれている可能性があります。

また、缶コーヒーやチョコレートなどに表示されている「砂糖不使用」はあくまで砂糖(ショ糖)を使っていないだけで、他の糖類が使用されていることもあります。「糖類ゼロ=完全に無」ではなく、「砂糖不使用=糖類ゼロ」というわけではないので注意しましょう。

糖類を含まない旨の表示基準(ゼロ・無・ノン・レス)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
未満 0.5g 0.5g

上記の情報は「Kanro・糖質と糖類って、何が違うの?」「東京都・栄養成分表示ハンドブック」を参照しました。

糖質ゼロとは?

「糖質ゼロ」も「糖類ゼロ」と同じく、食品表示法の食品表示基準に基づき定められており、食品100g当たり(飲料の場合100ml当たり)の含有量が0.5g未満を「糖質ゼロ」と表示できます。

糖質、糖類ともに「ゼロ」という表示がされていても、「完全にゼロ」ではないというわけです。

糖質を含まない旨の表示基準(ゼロ・無・ノン・レス)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
未満 0.5g 0.5g

上記の情報は「東京都・栄養成分表示ハンドブック」を参照しました。

糖類ゼロ以外の他の食品基準の違い

糖類オフ

「糖類ゼロ」の他にも「糖類オフ」といった表示もあります。「糖類オフ」とは、比較対象商品に比べて、糖類が食品100g当たり5g(飲料の場合は100ml当たり2.5g)以上低減されていて、かつ低減された割合が25%以上であること、とされています。

この基準を満たせば、「糖類オフ」の他にも「糖類〇〇%減」「糖類〇〇%カット」などといった表示も可能です。また、「糖類オフ」と似ているようで、少し違うのが「低」「ひかえめ」「ダイエット」などの表示です。

こちらは糖類の含有量が、食品100g当たり5g(飲料の場合は100ml当たり2.5g)未満であれば表示が可能です。同じようで定義は全く異なるので、注意しましょう。

糖類の低減された旨の表示基準(○○g減・○○%オフ・○○%カット・1/4など)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
低減量・低減割合 5g・25%以上 2.5g・25%以上
糖類の低い旨の表示基準(低・ひかえめ・少・ライト・ダイエットなど)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
未満 5g 2.5g

上記の情報は「東京都・栄養成分表示ハンドブック」を参照しました。

糖質オフ

「糖類オフ」とは違い「糖質オフ」には、基準は定められていません。科学的根拠に基づき、販売者が責任を持って表示しています。ただし、食品の栄養成分表示には、炭水化物の内訳であることがわかるように、糖質と食物繊維を表示することが定められています。

さらには、糖類も糖質の内訳であることがわかるように記載されます。どれだけ糖質がオフされているか分からなくても、どのくらいの量が含まれているかを確認することができます。

上記の情報は「東京都福祉保健局・表示方法」を参照しました。

カロリーオフ

糖類や糖質の他にも「ゼロ」や「オフ」の表示をよく目にするものには「カロリー」もあります。「カロリー」は「エネルギー」や「熱量」と表示されます。

「カロリーオフ」も「糖類オフ」同様、比較対象商品に比べて、エネルギーが食品100g当たり40kcal(飲料の場合は100ml当たり20g)以上低減されていて、かつ低減された割合が25%以上であることです。「カロリーオフ」や「ハーフ」などの表示も同様です。

また、「カロリーが低い」ことを表す「カロリーライト」などを記載する場合は、食品100g当たりのカロリーが40kcal(飲料の場合は100ml当たり20kcal)未満となります。

カロリーの低減された旨の表示基準(○○g減・○○%オフ・○○%カット・1/4など)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
低減量・低減割合 40kcal・25% 以上 20kcal・25% 以上
カロリーの低い旨の表示基準(低・ひかえめ・少・ライト・ダイエットなど)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
未満 40kcal 20kcal

上記の情報は「東京都・栄養成分表示ハンドブック」を参照しました。

カロリーゼロ

「カロリーゼロ」も「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」同様、「完全に無」というわけはありません。「カロリーゼロ」の定義は、食品100g当たり(飲料の場合は100ml当たり)のカロリーが5kcal未満の場合になります。

カロリーを含まない旨の表示基準(ゼロ・無・ノン・レス)
食品100g当たり 一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合
未満 5kcal 5kcal

上記の情報は「東京都・栄養成分表示ハンドブック」を参照しました。

糖類ゼロで大丈夫?ダイエット中に注意すること

糖類ゼロよりは糖質ゼロを選ぶ

糖類は糖質の一部のため、糖類が全く入っていなかったとしても、他の糖質が入っている可能性があります。また、糖質の中で注意したいのが「でんぷん」です。でんぷんは糖類ではありませんが、分解されると「ブドウ糖」になり、ブドウ糖は糖類に分類されます。

このように、糖質でも分解されると糖類になって吸収されてしまいます。ダイエット中は「糖類ゼロ」よりも「糖質ゼロ」をチョイスすると良いでしょう。

上記の情報は「E-studioNavi・【ダイエットの落とし穴】「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」同じ意味と思ってませんか?!」を参照しました。

糖類ゼロ・糖質ゼロだからと大量に摂取しない

「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」だからといって、全く糖類・糖質が含まれていないわけではありません。また、「糖質ゼロ」の食品には、カロリーの低い「人工甘味料」が使われていることが多いです。

この「人工甘味料」は砂糖の200倍以上甘く、少ない量で甘さを感じることができ、血糖値の上昇を防いだり、虫歯になりにくいなどの特徴があります。しかし、人工甘味料も糖質が全くゼロというわけではありません。

大量に摂取することでカロリーが蓄積されるだけでなく、脳が甘さに鈍くなってしまい、より強い甘さを求めて糖質を摂取してしまうこともあります。ダイエット中だからと、「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」の食品ばかりを摂取しないように注意しましょう。

上記の情報は「住友林業のリフォーム・【医師が解説】カロリーゼロ食品は太る? からだに悪い? 健康に良い上手な活用法とは」を参照しました。

糖質入りは人工甘味料よりも天然甘味料・自然派甘味料を選ぶ

糖類や糖質は控えたいけど、人工甘味料はあまり摂取したくない場合は、「天然甘味料・自然派甘味料」を選ぶと良いでしょう。代表的なものとして「ステビア」や「羅漢果」があります。

天然甘味料であるステビアは、キク科の植物から作られており、糖質ゼロで低カロリーです。また、自然派甘味料である羅漢果は、ウリ科の果物のエキスとトウモロコシの発酵によって得られる甘味成分「エリスリトール」から作られます。

ラカントは砂糖と同じ甘さでカロリーゼロとなります。ダイエット中、どうしても甘いものを食べたいときは、こういった自然は甘味料を選ぶのも良いでしょう。

上記の情報は「H2株式会社・砂糖のカロリー&糖質は本当に高い?~砂糖を摂ると太るのか徹底検証〜」を参照しました。

糖類ゼロを正しく理解して日常の食品選びに役立てよう!

「糖類ゼロ」始め、「糖質ゼロ」や「カロリーゼロ」と表示がされていても、「完全にゼロ」というわけではありません。その他にも、「オフ」「低」「ひかえめ」など、さまざまな表示がありますが、正しく理解すれば、ダイエットの強い味方にもなります。

また、 食品を選ぶときに「栄養成分表示」を見てみると、より自分が食べているものに興味が湧くことでしょう。ダイエットだけでなく、是非、日常の食品選びにも役立ててみてくださいね。