【幸せホルモン】の分泌をサポートする食べ物って?食べ物で増やすことはできるの?
幸せホルモンという言葉を聞いたことがありますか?幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、心と体を安定させるために大切な脳内ホルモンの一種です。今回は、幸せホルモンを増やす食べ物をご紹介します。セロトニンの分泌をサポートして、心を穏やかに保ちましょう。
1993年生まれ 東京都在住 1児の母
お茶の水女子大学大学院 食品栄養科学 修士
中級食品表示診断士
著書「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)
日経xwoman プロジェクトアンバサダー
幸せホルモンの分泌に関わるセロトニンとは?
脳内物質の一つ
セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内物質の一つで、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」と並ぶ神経伝達物質です。幸せホルモンのセロトニンは、神経をリラックスさせたり痛みを抑制したりするために重要な働きをしています。
自律神経のコントロール
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、自律神経のコントロールの役割を担っています。就寝中は副交感神経が優位に働いているため、神経の興奮が抑制されてリラックスした状態になっています。朝目覚めると、交換神経が優位になって、代謝が上がって活動的になります。
朝の目覚めが悪かったり、寝起きのだるさがなかなか取れなかったりするときは、幸せホルモンの分泌が不足している可能性があります。ドーパミンやセロトニンの分泌が不足していると、自律神経の働きがゆらぎ、寝起きが辛く感じることがあります。
心と体のバランスを安定させている
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの正常な分泌は、心と体を安定させたりリラックスさせたりする働きをしています。食事中や就寝中、入浴中など、心も体もリラックスした状態のときは、副交感神経が優位になっています。
副交感神経とは対照的に、交感神経は起床時や活動中に働く神経で、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンはこの2つの神経のバランスを整える役割を果たしています。
幸せホルモンの生成不足は、気分の落ち込みや体のだるさ、睡眠の質の低下など、さまざまな原因を引き起こします。幸せホルモンの不足を感じるときは、幸せホルモンの分泌を促進してくれる食べ物を摂取するのが効果的です。
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物|大豆製品
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物の1つ目は、大豆製品です。大豆は、セロトニンの生成の材料となるトリプトファンを多く含む食べ物です。トリプトファンは体内で生成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
大豆を材料とした製品には、豆腐やみそ、厚揚げや納豆など、さまざまな種類があります。生のまま摂取できる食べ物が多いため、他の食べ物と比べて日々の食事に簡単に取り入れられるところが魅力です。心と体を元気にしたいときにおすすめの食べ物です。
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物|魚類
幸せホルモンの分泌を増やす食べ物の2つ目は、魚類です。魚類には、幸せホルモンをサポートするビタミンB6が豊富に含まれています。魚の中でも、赤魚はセロトニンの生成を促すトリプトファンが豊富なため、幸せホルモンの分泌を促すためにおすすめの食べ物です。
トリプトファンを多く含む食べ物として、まぐろやかつおが挙げられます。そのまま食べても美味しいですが、納豆や豆腐などの大豆製品と合わせると、相乗効果で幸せホルモンの分泌をさらに高める効果が期待できます。食生活に積極的に取り入れていきましょう。
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物|バナナ
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物の3つ目は、バナナです。バナナは、セロトニンの生成を促進するトリプトファンや、抗ストレスホルモンの生成を助けるビタミンCを含んだ食べ物です。幸せホルモンの分泌をサポートするだけではなく、リラックス効果も期待できます。
バナナは、時間がないときでも手軽に食べられるところが魅力の食べ物です。おやつや小腹が空いたときのお供として食べたり、ヨーグルトなどの乳製品と一緒に摂るのも簡単でおすすめです。ビタミンCも豊富なため、風邪予防としてもぴったりの食べ物です。
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物|乳製品
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物の4つ目は、乳製品です。乳製品もトリプトファンを多く含む食べ物の一つです。チーズやヨーグルト、飲み物の牛乳にも豊富に含まれています。ヨーグルトの酸味には食欲増進作用があるため、食欲がないときにもおすすめの食べ物です。
セロトニンの生成を効率良く促すためには、朝食でトリプトファンを多く含む食べ物を摂取するのがおすすめです。ヨーグルトにバナナをプラスしたり、牛乳を温めて飲んだりして、朝ごはんは抜かずにしっかりと食べるようにしましょう。
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物|卵
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物の5つ目は、卵です。良質なたんぱく質を含む卵は、幸せホルモンの分泌を促すトリプトファンが豊富な食べ物です。卵は調理方法が幅広いため、日々の食事に手軽に取り入れやすいところが魅力です。
忙しくて食事を作る時間がないときは、煮卵をまとめて作っておくと便利です。朝食で幸せホルモンの分泌を促進する食べ物を摂取すると、セロトニンが増加して気持ちよく一日のスタートが切れます。規則正しい生活とバランスの良い食事を心掛けましょう。
幸せホルモンの分泌不足によって起こる影響とは
精神的に不安定になる
幸せホルモンの分泌が不足すると、精神的に不安定になるとされています。セロトニンの不足は自律神経の乱れを引き起こして、ストレスや精神的な不安の原因になります。自律神経の乱れは肩こりや頭痛の要因にもなるなど、心だけではなく体にも悪影響を及ぼします。
イライラしたり気持ちが落ち着かなかったりするときは、セロトニンの分泌を促す食べ物を摂取しましょう。間食にバナナを食べたり、夕食に赤魚を意識して取り入れたりして、生活の中に幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物を組み込んでいくことが大切です。
不眠
寝つきが悪かったり何度も目が覚めてしまったりということはありませんか?それは、セロトニン不足の可能性があります。睡眠を促すホルモンのメラトニンは、セロトニンと深く関係しています。セロトニンが不足するとメラトニンも減少するため、睡眠の質が下がります。
睡眠の質を上げて不眠を解消するためには、朝起きてから日光を浴びるのがおすすめです。光を浴びることでセロトニンの分泌が増えるだけではなく、体内時計がリセットされて覚醒リズムが整うことで睡眠の質を上げることができます。
また、睡眠の質を上げるメラトニンの分泌をサポートするには、食べ物から摂取する方法もあります。メラトニンの分泌をサポートする食べ物として、葉物野菜が挙げられます。ビタミンが豊富なケールをサラダにしたり、野菜たっぷりのスープを作ったり、日光浴と合わせて実践してみましょう。
疲れやすくなる
幸せホルモンの分泌不足による影響として、疲れやすいことも挙げられます。セロトニンが不足すると、ストレスが溜まったり疲労を感じやすくなったりします。特に、たんぱく質が減ると、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が作り出せなくなるため注意が必要です。
疲れやすさを感じたときは、たんぱく質を含む食べ物を摂りましょう。卵やチーズ、大豆製品は、セロトニンの分泌をサポートする栄養素が豊富な食べ物です。ストレスはセロトニンの分泌を減少させます。食事からバランス良く摂取して、幸せホルモンの分泌を促しましょう。
向上心の低下
幸せホルモンの不足は、向上心の低下を招きます。やる気が出ないと感じたり感情が不安定だったりするときは、幸せホルモンが不足している可能性があります。やる気が起きないときは、食生活や生活環境を見直してみましょう。
心も体も元気になるためには、食べ物を変えてみるのがおすすめです。たんぱく質が豊富な大豆製品や卵を多めに摂り入れて、幸せホルモンを増やせるように取り組んでいきましょう。
幸せホルモンを増やすための効果的な方法とは
食べ物から摂取する
幸せホルモンをの分泌を促すための効果的な方法の1つ目は、食べ物から摂取する方法です。幸せホルモンの生成を促進するためには、食事から摂ることがもっとも身近でおすすめです。幸せホルモンの材料となるたんぱく質やミネラル、ビタミンを食事からバランス良く摂取しましょう。
また、幸せホルモンの生成をするときに必要な材料であるトリプトファンを含む食べ物の摂取も大切です。トリプトファンは、主に大豆製品や魚に豊富に含まれています。幸せホルモンの生成を促進するために、献立の材料として積極的に取り入れましょう。
日光を浴びる
幸せホルモンを増やすための効果的な方法の2つ目は、日光を浴びることです。日光を浴びると、幸せホルモンのセロトニンやドーパミンの生成が促進されて活動的になります。朝の寝起きがだるいときに太陽の光を浴びると、脳が覚醒して活動的になるのはこのためです。
日光を浴びるおすすめのタイミングは、起床から30分以内です。時間は15分から30分ほどが良いとされています。セロトニンの生成不足は、心と体に不調をきたします。日光浴は、食事と合わせて簡単に実行できる方法なので、日々の生活に取り入れていきましょう。
適度に運動する
幸せホルモンを増やすための効果的な方法の3つ目は、適度に運動することです。運動するとセロトニンが刺激されて、幸せホルモンの分泌が活性化されます。食べ物と合わせて、定期的な運動も幸せホルモンの促進にとって大切な方法です。
幸せホルモンを促進するための運動方法として、朝のウォーキングがおすすめです。一定の歩行リズムで運動することによって、セロトニンの濃度が高まるとされています。また、運動と合わせて日光浴をすれば、相乗効果で幸せホルモンの分泌を簡単に増やすことができます。
ウォーキング以外にも、エアロビや自転車、スクワットも幸せホルモンを増やす手段として効果的です。食事と合わせて、簡単にできることから始めてみましょう。
幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物を摂取して心も体も元気に!
幸せホルモンの不足は、心と体にさまざまな不調をもたらします。元気がないと感じるときは、幸せホルモンの分泌をサポートする食べ物を食事から摂取するのがおすすめです。食べ物と合わせて、日光浴や定期的な運動も効果的です。少しずつ日々の生活に取り入れていきましょう!